【毎年、風邪をひきやすい方へ】緑茶カテキン・乳酸菌・ビタミンDで一番風邪予防に効くのは?101,751人を統合した最新ネットワークメタ解析でわかった効果ランキング
公開日:2026年10月9日
さくっと結論
107件のRCT・101,751人を統合したネットワークメタ解析で、風邪(上気道感染症)そのものにかかりにくくなる効果は緑茶由来のカテキン(リスク21%減)と乳酸菌が、新型コロナ・インフルエンザの予防には高用量ビタミンD(リスク34%減)が、症状の重さを和らげる効果は複数菌株のプロバイオティクスが、それぞれ最も有力という結果でした。
目的別に使い分けるのがポイントです。
論文情報
- タイトル: Comparative effectiveness of oral nutritional supplements in preventing respiratory tract infections among adults: a systematic review and network meta-analysis
- 著者: Zhixin Zhu氏、他
- 掲載誌: eClinicalMedicine(The Lancet姉妹誌), 2025年9月
内容要約
目的
健康な成人において、経口摂取する微量栄養素・フラボノイド・プロバイオティクス・シンバイオティクスが、呼吸器感染症(RTI)の予防にどれだけ効果的かを比較すること。
方法
- 研究デザイン: システマティックレビュー・ネットワークメタ解析(PubMed、Embase、Cochrane Central Register、ClinicalTrials.govを2025年2月25日まで検索)
- 対象者: 18歳以上の免疫不全のない健康な成人。世界各国のRCTを統合した解析のため、参加者の国籍構成は明記されていません。海外の研究が中心のため、日本人にそのまま当てはまるとは限らない点にご留意ください
- サンプルサイズ: 120件のRCTをシステマティックレビューの対象とし、うち107件・101,751人をネットワークメタ解析に組み入れ
- 追跡期間: 中央値12週間(四分位範囲8.3〜25.7週間)
結果・考察
| 指標 | 有力だった介入 | 結果(プラセボ比) |
|---|---|---|
| 風邪(RTI)の罹患リスク | カテキン(緑茶由来フラボノイド) | リスク比0.79(95%信頼区間0.66〜0.95、高い確実性) |
| 風邪(RTI)の罹患リスク | 乳酸菌(単一菌株・Bifidobacterium animalis) | リスク比0.79(95%信頼区間0.63〜0.99、中等度の確実性) |
| 風邪(RTI)の罹患リスク | 複数菌株プロバイオティクス | リスク比0.90(95%信頼区間0.82〜0.98、中等度の確実性) |
| 新型コロナ・インフルエンザの罹患リスク | 高用量ビタミンD(1日2000IU以上) | リスク比0.66(95%信頼区間0.51〜0.86、中等度の確実性) |
| 症状の持続日数 | カテキン | -2.64日/回(95%信頼区間-4.92〜-0.35) |
| 症状の持続日数 | 複数菌株プロバイオティクス | -0.97日/回(95%信頼区間-1.78〜-0.16、高い確実性) |
| 症状の重さ | 複数菌株プロバイオティクス | 標準化平均差-0.33(95%信頼区間-0.51〜-0.14) |
論文によって対象者や摂取量・期間に違いがあるため、結果には幅があります。
亜鉛やシンバイオティクスも良好な数値を示しましたが、論文独自の確実性評価(CINeMA)では「低い確実性」に分類されています。
カテキンや乳酸菌(B. animalis)は研究数が少なくても確実性が高く評価されている一方、亜鉛・シンバイオティクスはバイアスリスクや結果のばらつきなどを理由に確実性が下がっているため、参考情報として捉えてください。
また、ビタミンCは中用量(1日501〜1000mg)で罹患リスクをわずかに下げる結果でしたが、1日1500mgを超えると効果が弱まる傾向も報告されています。
なお、論文では「風邪は冬がピークの季節性疾患であるため、冬場の摂取が最も効果的なタイミングの可能性がある」と指摘されています。
ビタミンDの1日あたりの摂取基準である目安量は9.0 μg / 日(約360 IU)となります。(日本人の食事摂取基準2025年版より)
「高用量ビタミンD1日2000IU以上」とあり、5.5倍となっています。
まさに高用量ですね!
また、ビタミンDは日光を浴びることで合成することができます。
結論
緑茶由来のカテキンと乳酸菌・複数菌株プロバイオティクスは、成人の呼吸器感染症予防において有望な選択肢です。
新型コロナ・インフルエンザの予防には高用量ビタミンDが比較的有効である可能性が示唆されました。
ブログ執筆者まとめ
当ブログでもこれまで、酵母由来βグルカンやマイタケ、緑茶うがいなど、さまざまな角度から風邪・感染症予防の研究をご紹介してきました。
今回の研究は101,751人という規模で複数の介入を横並びに比較した点が新規性です。
ただし、研究で使われたプロバイオティクスは特定の菌株を組み合わせたサプリメントが中心で、市販のヨーグルト等で同等の効果が再現できるとは限りません。
持病がある方・治療中の方は、自己判断でサプリメントを追加する前に医師にご相談ください。
風邪予防を毎日の食習慣に取り入れるには
管理栄養士としては、まず普段の食事・飲み物の習慣を見直すことから始めることをおすすめします。
| 選択肢(食品) | 特徴・取り入れ方 | こんな方におすすめ |
|---|---|---|
| 緑茶(煎茶・抹茶) | 日常的に飲むだけでカテキンを摂取できる | まずは普段の飲み物から始めたい方 |
| ヨーグルト・味噌・漬物などの発酵食品 | 毎日の食事に取り入れやすい | 発酵食品を習慣にしたい方 |
| 鮭・きのこ類・卵黄(ビタミンD) | 日光浴とあわせて取り入れる | 冬場に日照時間が減る方 |
| (補助的に)カテキン・プロバイオティクス・ビタミンDのサプリメント | 研究に近い量をきちんと摂りたい場合の選択肢 | 食品だけでは量が心配な方、特に冬場にビタミンDが不足しがちな方 |
研究で使われた高用量ビタミンD(1日2000IU以上)は、食品だけで毎日安定して摂るのは簡単ではありません。
まずは緑茶や発酵食品など無理なく続けられるものから始め、量をしっかり摂りたくなったタイミングでサプリメントを検討する、という順序がおすすめです。
30秒で解決!風邪予防に関するQ&A
Q. 風邪予防に一番効果があるのはどれですか?
A. 罹患そのものを減らす効果は緑茶カテキンや乳酸菌が、症状の重さを和らげる効果は複数菌株のプロバイオティクスが、新型コロナ・インフルエンザの予防には高用量ビタミンDが、それぞれ有力という結果でした。目的に応じて使い分けるのがおすすめです。
Q. ビタミンDは食品だけで足りますか?
A. 研究で使われた1日2000IU以上という量は、鮭やきのこなどの食品だけで毎日安定して摂るのは簡単ではありません。日光浴や食事を基本にしつつ、冬場など難しい時期はサプリメントも選択肢として検討してください。
Q. サプリメントと食品、どちらを優先すべきですか?
A. まずは緑茶や発酵食品など、普段の食事に取り入れやすいものから始めてください。研究に近い量をきちんと摂りたい場合の選択肢として、サプリメントを補助的に検討する、という順序がおすすめです。
関連記事
- 【毎年、風邪をひきやすい方へ】酵母由来βグルカンで上気道感染症のリスクが下がる?13件のRCTを統合した最新メタ解析でわかった効果
- 【風邪をひきやすい秋冬に】マイタケで発熱・鼻水の日数が減る?18〜85歳の二重盲検試験でわかった効果
- 【かぜ・感染症が気になる季節に】緑茶うがいで新型コロナの発症は減る?日本人1,012名の多施設試験でわかった結果
まとめ
風邪・感染症予防には、緑茶カテキン・乳酸菌・ビタミンDがそれぞれ異なる強みを持つことが、101,751人規模の最新研究でわかりました。
明日からは、まず普段の緑茶や発酵食品の習慣を見直すところから始め、冬場のビタミンD不足が気になる方はサプリメントも選択肢に入れてみてください。
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
じっくり論文の内容を確認したい方は各論文のタイトルからチェックしてみてください。
OFUSEで応援を送る
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。