【かぜ・感染症が気になる季節に】緑茶うがいで新型コロナの発症は減る?日本人1,012名の多施設試験でわかった結果

【かぜ・感染症が気になる季節に】緑茶うがいで新型コロナの発症は減る?日本人1,012名の多施設試験でわかった結果

公開日:2026年10月4日

さくっと結論

日本の4都県で18〜70歳の1,012名が参加した多施設RCTで、緑茶粉末のうがいと水うがいを1日3回・12週間比べたところ、新型コロナの発症率はどちらも5.4%で差がありませんでした。
うがいを8割以上続けられた人に限ると、発症率は緑茶4.4%、水5.7%でした。
緑茶の方が22.8%少ない計算ですが、この差も統計的に有意ではありませんでした。
うがいによる副作用は報告されていません。

論文情報

内容要約

目的

緑茶に含まれるカテキン(特にEGCG)は、試験管内の実験で新型コロナウイルスを減らす作用が報告されています。
たとえば、唾液中のウイルスに緑茶を10秒加えただけで、感染力が1/100未満に下がったという日本の研究があります(Ohgitani E氏ら, 2021)。
EGCGがウイルスの細胞への侵入を防ぐことも示されています(Liu J氏ら, 2021)。
しかし、人で予防効果を確かめた大規模な試験はありませんでした。
そこで、緑茶うがいが新型コロナの発症を防ぐかを、水うがいと比べて検証しました。

方法

  • 研究デザイン: 多施設共同の無作為化比較試験(非盲検。うがい液の違いが参加者にわかる形)
  • 対象者: 日本の18〜70歳の男女(平均年齢は約42歳、約7割が女性)。静岡県・神奈川県・鹿児島県・東京都の5施設で募集しました。学生や医療従事者も含まれます。
  • サンプルサイズ: 1,012名(緑茶うがい群507名、水うがい群505名)
  • 介入内容と期間:
    • 市販の緑茶粉末スティック2本を約400mLの水に溶かしてうがい液を作り、朝・昼・帰宅後の1日3回うがいをしました
    • 濃さは、市販のペットボトル緑茶と同程度のカテキン濃度です
    • 1回のうがいは「口をすすぐ→のどをガラガラ」を3回繰り返す方法です
    • 期間は12週間で、2023〜24年と2024〜25年の冬(12〜2月)に実施しました
  • カテキン量: うがい液の総カテキン濃度は約35.5mg/dL(うちEGCG約11.9mg/dL)でした。1日あたり約142mgのカテキンに口とのどが触れていた計算です。

結果・考察

指標緑茶うがい群水うがい群判定
発症率(全参加者で解析)5.4%(27/503名)5.4%(27/500名)差なし
発症率(うがいを8割以上実施した人)4.4%(17/386名)5.7%(23/403名)22.8%少ないが有意差なし
予防行動を調整したオッズ比0.818(95%CI 0.422〜1.556)基準有意差なし
発症までの期間(ハザード比)0.824(95%CI 0.439〜1.546)基準有意差なし
肺炎・入院0名1名―
うがいによる副作用なしなし―

うがいを8割以上続けた人での差を数字にすると、絶対リスクの差は1.3%です。
つまり77人が12週間緑茶うがいを続けて、発症を1人減らせる計算になります。
ただし、統計的に有意な差ではありません。

著者らは、差が出なかった理由として次の点を挙げています。

  • 1日3回では回数が足りなかった可能性がある(緑茶成分がのどの粘膜に残るのは約60分とされています)
  • 参加者の約3分の2がふだんから緑茶を飲む習慣があり、群間の差が縮まった可能性がある
  • 実際の発症率が想定より低く、差を検出するには人数が足りなかった可能性がある
  • 非盲検のため、水うがい群の方がマスクや手指消毒を熱心に行っていた

結論

著者らは「緑茶うがいは、うがいを継続できた人で水うがいより発症率が22.8%低かったが、統計的に有意ではなかった」と結論づけています。
そのうえで、うがいの回数やカテキン濃度を最適化した試験が必要だとしています。

ブログ執筆者まとめ

当ブログではこれまで、昆布だしうがいやマイタケと風邪の症状など、身近な食品と感染症対策の研究を紹介してきました。
今回は日本人1,012名という大規模な試験で、「緑茶うがいの効果ははっきりしなかった」という結果です。

試験管内で効果があっても、人の生活の中で効果が出るとは限らない、ということがよくわかる研究です。
また、この研究は緑茶飲料メーカーの研究資金で行われ、共著者に同社の社員が含まれています。
それでも有意差なしの結果がそのまま報告されている点は評価できると思います。
発熱やのどの痛みなどの症状がある場合は、うがいで様子を見ずに医療機関にご相談ください。

緑茶を「感染症が気になる季節の習慣」に取り入れるには

緑茶うがいに、水うがいを上回る予防効果は確認されませんでした。
一方で、副作用はなく、安価で手軽です。
「水うがいの代わりに、好みで緑茶を使う」くらいの位置づけがおすすめです。

  1. まずは食品から: 急須で入れた緑茶やペットボトルの緑茶を、ふだんの飲み物として楽しみましょう。うがいに使う場合は、飲む分を少し取り分けて、口をすすいでからのどをガラガラするだけで十分です。
  2. 研究に近い形で試したい場合の選択肢: 研究と同じように、市販の緑茶粉末を水に溶かすと、濃さをそろえやすくなります。ただし、研究で効果が確認されたわけではありません。
  3. まずは基本の予防を優先: うがいだけに頼らず、手洗い、休養、栄養バランスの良い食事を基本にしましょう。そのうえで、うがいの習慣を続けることが大切です。

  

予防効果が確認されなかった以上、緑茶を積極的に使いにくいですね。
ティーパックの緑茶を飲んだ後に捨てずに二次利用するぐらいでしょうか。
カテキン量が少ないくなりそうですが。
おじゃる丸の漫画家さんみたいに吊るして保管しておく?

  

30秒で解決!緑茶うがいと感染症予防に関するQ&A

Q. 緑茶うがいで新型コロナは防げますか?

A. 今回の1,012名の試験では、緑茶うがいと水うがいで発症率に差はありませんでした(どちらも5.4%)。緑茶うがいで防げるとは言えません。うがいをするなら、水でも緑茶でも、続けやすい方で習慣にしましょう。

Q. ふつうに緑茶を飲むのと、うがいをするのとではどちらがいいですか?

A. 今回の研究はうがいの効果を調べたもので、飲む場合と比べてはいません。緑茶はふだんの飲み物として楽しみ、うがいは好みで取り入れるのがおすすめです。カフェインが含まれるので、寝る前の飲み過ぎには注意しましょう。

Q. 子どもや妊娠中でも緑茶うがいをして大丈夫ですか?

A. 今回の研究ではうがいによる副作用は報告されていませんが、対象は18〜70歳の成人です。うがい液は飲み込まず吐き出す前提のため、カフェインの影響は小さいと考えられますが、心配な場合はかかりつけ医にご相談ください。

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まとめ

緑茶うがいは、日本人1,012名の試験で、水うがいを上回る新型コロナの予防効果は確認されませんでした。
ただし、副作用はなく手軽です。
明日からは、手洗いと休養を基本にしたうえで、水か緑茶か、続けやすい方で帰宅後のうがいを習慣にしてみましょう。

 
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
じっくり論文の内容を確認したい方は各論文のタイトルからチェックしてみてください。

  

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