【毎年、風邪をひきやすい方へ】酵母由来βグルカンで上気道感染症のリスクが下がる?13件のRCTを統合した最新メタ解析でわかった効果
公開日:2026年9月7日
さくっと結論
パン酵母・ビール酵母由来のβグルカン(1,3/1,6-βグルカン)を継続摂取したグループは、プラセボと比較して上気道感染症(いわゆる「風邪」)にかかるリスクが有意に低下したと報告されています。
2021年に発表された13件のランダム化比較試験(RCT)を統合したメタ解析では、罹患リスクがオッズ比0.345(プラセボ比で約65%低下、p<0.001)、感染症の持続日数も有意に短縮していました。
季節の変わり目に体調を崩しやすい方にとって、食習慣として取り入れる価値のある選択肢です。
論文情報
- タイトル: Effects of yeast β-glucans for the prevention and treatment of upper respiratory tract infection in healthy subjects: a systematic review and meta-analysis
- 著者: Zhong K氏、他
- 掲載誌: European Journal of Nutrition, 2021年4月
内容要約
目的
健康な成人において、酵母由来βグルカンのサプリメント摂取が上気道感染症(URTI、いわゆる風邪)の予防・症状軽減に有効かどうかを、既存のRCTを統合して検証すること。
βグルカンとは食物繊維の一種です。
きのこや酵母に含まれるタイプ(1,3/1,6-βグルカン)と穀物に含まれるタイプ(1,3/1,4-βグルカン)があります。
方法
- 研究デザイン: システマティックレビュー・メタ解析(PubMed、Web of Science、EMBASE、Cochrane Libraryのデータベースを横断検索)
- 対象者: 13件のRCTに参加した、基礎疾患のない健康な成人。組み入れられた研究の多くはアメリカ・ヨーロッパで実施されており、海外の研究のため、日本人にそのまま当てはまるとは限らない点には留意が必要です
- サンプルサイズ: 13件のRCTを統合(個別研究間で対象人数・摂取量・摂取期間にばらつきあり)
- 摂取量・期間: 個別のRCTでは1日あたり250〜900mg程度のβグルカンを、8〜16週間程度継続摂取する設計が中心
結果・考察
| 指標 | 結果(プラセボ比) |
|---|---|
| 上気道感染症の罹患リスク | オッズ比 0.345(95%信頼区間 0.192〜0.620、p<0.001) |
| 感染症の発症回数 | 標準化平均差 −0.315(95%信頼区間 −0.500〜−0.130、p<0.05) |
| 感染症の持続日数 | 標準化平均差 −0.312(95%信頼区間 −0.561〜−0.064、p<0.001) |
βグルカンを継続摂取しておくと、風邪をひく確率をを抑え、治るまでの期間が短い、と言えそうです。
論文によって対象者や摂取量・期間に違いがあるため、個々の研究では「罹患率は変わらないが症状の重さだけ軽減した」という結果の研究も含まれており、統合結果ほど一律に効果が出るとは限らない点には注意が必要です。
結論
酵母由来βグルカンの継続摂取は、健康な成人において上気道感染症の罹患リスク・持続期間を有意に減らす可能性が示唆されました。
ブログ執筆者まとめ
当ブログでもこれまで、生姜が市販の鼻炎薬と同等の効果を示した研究など、食品由来成分による粘膜・アレルギー症状ケアを紹介してきました。
今回のβグルカンは予防に重心があり、症状が出てからのケアというより、日頃からの体調管理・季節の変わり目対策として位置づけるのが向いています。
なお、βグルカンには複数の構造タイプがあり、大麦・オーツ麦由来のβグルカン(コレステロール低下作用で知られる1,3/1,4型)とは構造が異なる(酵母・きのこ由来は1,3/1,6型)ため、混同しないよう注意してください。
持病がある方・治療中の方は、自己判断でサプリメントを追加する前に主治医にご相談ください。
酵母βグルカンを毎日の食習慣に取り入れるには
管理栄養士としては、まず毎日の食事にきのこを一品足すことから始めることをおすすめします。
研究で使われた酵母(パン酵母・ビール酵母)そのものを食品として日常的に食べる習慣は一般的ではありませんが、酵母と同じ真菌の仲間であるきのこ類にも、同じ1,3/1,6型のβグルカンが含まれています。
| 選択肢 | 特徴・取り入れ方 | こんな方におすすめ |
|---|---|---|
| まいたけ・えのきたけ | きのこ類の中でも特にβグルカン含有量が多い。汁物・炒め物に加えるだけで手軽 | まずは食品から無理なく始めたい方 |
| しいたけ・しめじ等の他のきのこ | まいたけよりは含有量が少ないが、日々の副菜に取り入れやすい | きのこの種類を日替わりでローテーションしたい方 |
| (補助的に)酵母βグルカンのサプリメント・エキス | 研究で使われた250〜900mg/日という量を安定して再現したい場合の選択肢 | きのこを毎日は続けにくい方、量をきちんと管理したい方 |
きのこでのβグルカン摂取量が、研究で使われた酵母由来βグルカンの量・効果とそのまま同等かは検証されていません。
まずは無理なく続けられるきのこ料理の習慣化から始め、研究に近い量をきちんと摂りたい場合の選択肢としてサプリメントも視野に入れる、という順序で考えるのがおすすめです。
30秒で解決!酵母βグルカンに関するQ&A
Q. 酵母βグルカンを摂れば風邪を引かなくなりますか?
A. 絶対に引かなくなるわけではありません。今回のメタ解析でも罹患リスクの統計的な低下は示されていますが、手洗い・睡眠・栄養バランスなど基本的な体調管理と組み合わせる前提の話です。
Q. どのくらいの量を摂ればよいですか?
A. まずはきのこ類を日々の食事に取り入れることから始めてください。研究で使われた250〜900mg/日という量をきちんと摂りたい場合は、酵母βグルカンのサプリメントを補助的に活用する方法もあります。
Q. 大麦やオーツ麦のβグルカンサプリでも同じ効果がありますか?
A. 期待しない方がよいです。大麦・オーツ麦由来のβグルカンは構造が異なり(1,3/1,4型)、主にコレステロール低下作用の研究で使われている成分です。今回ご紹介した効果は酵母・きのこ由来の1,3/1,6型βグルカンでの報告です。
関連記事
- 【花粉症・鼻炎に】生姜が市販の鼻炎薬と同等の効果!?眠くならない天然の鼻炎ケア
- 【花粉症対策に】赤シソ(ロスマリン酸)が目と鼻のアレルギー症状を劇的に改善する!最新研究が明かす天然成分の力
- 【ドライマウス・味覚低下が気になる方へ】昆布だしうがいで唾液分泌と味覚が改善?最新研究でわかった和素材の効果
まとめ
酵母由来βグルカンは、13件のRCTを統合したメタ解析で上気道感染症のリスク低下が示された成分です。
明日からは、まいたけ・えのきたけなど身近なきのこを毎日の食事に一品足すことから始め、量をしっかり摂りたくなったタイミングでサプリメントを検討してみてください。
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
じっくり論文の内容を確認したい方は各論文のタイトルからチェックしてみてください。
OFUSEで応援を送る
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
-
前の記事
【赤シソの健康効果】論文でわかる赤シソ活用まとめ|アレルギー対策・脳の健康 2026.09.06
-
次の記事
記事がありません