【球技・陸上などスプリントを繰り返す方へ】運動前カフェインでパフォーマンスは上がる?日本人対象の最新研究でわかった効果
公開日:2026年8月30日/更新日:2026年10月3日(関連記事追記など)
さくっと結論
日本人の健康な若年成人12名を対象にした研究によると、運動の約60分前にカフェイン(体重1kgあたり5.5mg)を摂取したグループは、プラセボと比べて反復スプリントのパワーが有意に向上し、その効果が3.5時間にわたって持続したことが分かりました。
主観的なきつさ(RPE)や下肢の筋肉痛も軽減されており、球技やスプリント種目のように短時間高強度の運動を繰り返す動作に向いている可能性があります。
論文情報
- タイトル: Pre-Exercise Caffeine Enhances Repeated Sprint Performance and Alters Physiological and Perceptual Responses with Effects Lasting up to 3.5 h
- 著者: 筑波大学・奈良女子大学の研究グループ(日本)
- 掲載誌: Medicine & Science in Sports & Exercise, 2026年9月
内容要約
目的
運動前のカフェイン摂取が、反復スプリット運動のパフォーマンスと、その効果の持続時間、生理的・知覚的反応に与える影響を検証すること。
方法
- 研究デザイン: ランダム化比較試験
- 対象者: 健康な日本人若年成人12名(うち女性4名)
- 摂取量・タイミング: カフェイン5.5mg/kg(体重60kgなら約330mg相当)を運動開始の約60分前に摂取
- 評価項目: 3.5時間のプロトコルにわたる反復スプリントパワー、RPE(自覚的運動強度)、下肢筋肉痛、心拍数、血漿ノルアドレナリン濃度、脳血流(中大脳動脈平均血流速度)など
結果・考察
スプリントパワーが3.5時間にわたって向上
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 平均スプリントパワー | 0.5~2.4%、継続的に有意な改善(p<0.05) |
| ピークパワー(第2・3セット) | 最大3.7%増加(p<0.05) |
| RPE・下肢筋肉痛 | 有意に低下(p<0.05) |
| 心拍数・血漿ノルアドレナリン | 有意に上昇(p<0.05、カフェインの刺激作用による予想通りの変化) |
| 中大脳動脈の平均血流速度 | 有意に低下(p<0.05) |
パフォーマンス向上そのものは1〜4%程度と決して劇的な数値ではありませんが、3.5時間という長い時間にわたって効果が持続した点がこの研究の特徴です。
1セット目だけでなく、複数セットにわたって一貫した効果が確認されています。
一方で、心拍数の上昇や脳血流速度の低下といった生理的な変化も報告されており、これらの意味については今回の研究だけでは十分に評価できません。
試合やレースだけでなく、練習中のパフォーマンアップにも期待できるかもですね。
割り引いて見るべきポイント: 対象者はわずか12名(女性は4名のみ)と少人数で、安全性に関する記述もありませんでした。
結論
著者らは、運動前のカフェイン摂取(5.5mg/kg)が反復スプリントパフォーマンスを高め、その効果が3.5時間という長時間にわたって持続することを示したと結論づけています。
ブログ執筆者まとめ
当ブログでは以前、カフェインの効果は摂取する時間帯によって異なること、国際スポーツ栄養学会(ISSN)がカフェインの推奨用量を3~6mg/kgとしていることをご紹介してきました。
今回の研究で使われた5.5mg/kgは、この推奨範囲の上限に近い、やや高めの用量です。
日本人を対象にした研究である点は当ブログの読者にとって参考にしやすい一方、対象者が12名と少人数のため、より多くの人に当てはまるかどうかは今後の研究の蓄積を待つ必要があります。
また、心拍数の上昇などカフェインらしい刺激作用も伴う結果となっているため、カフェインへの感受性が高い方や、循環器系に持病がある方は自己判断で高用量を試さず、医師にご相談ください。
運動前カフェイン摂取を試合前の習慣にするには
まずは、サプリメントではなくコーヒーやお茶などの飲み物から取り入れるのがおすすめです。
- ドリップコーヒーで量の目安をつかむ: ドリップコーヒー1杯(約150ml)にはおよそ90mgのカフェインが含まれます。体重60kgの方が今回の研究に合わせて5.5mg/kg体重を摂ろうとすると、5.5 × 60 = 330mgのカフェイン量となります。つまり、330 ÷ 90 = コーヒー3.7杯相当となり、この量をコーヒーからの摂取するのは現実的ではありません。まずは1~2杯から体調を確認しながら試すことをおすすめします。
- 試合・練習の60分前を目安に: 今回の研究では運動開始の約60分前に摂取していました。直前ではなく、少し余裕をもったタイミングで摂ることを意識してみましょう。
- 量を安定させたい場合は、カフェイン量が明記された製品を補助的に: コーヒーはロースト具合や淹れ方で含有量にばらつきが出やすいため、大事な試合の前など正確な量を毎回同じように摂りたい場合は、カフェイン量が表示されたタブレットやゼリーなどを補助的に使う方法もあります。まずは普段の飲み物で慣れることを優先し、量にこだわりたい場面は商品を活用するなど使い分けましょう。ただし、ぶっつけ本番で商品を利用するのではなく、試合を想定した練習で試しておくのを忘れずに。
30秒で解決!カフェインと反復スプリントパフォーマンスに関するQ&A
Q. コーヒーを飲むだけでも今回の研究と同じ効果が期待できますか?
A. コーヒーにもカフェインは含まれていますが、抽出方法や豆の種類によって含有量にばらつきがあります。今回のような明確な量(体重1kgあたり5.5mg)を再現するのは難しいため、まずは1~2杯程度の一般的な範囲から試し、量にこだわりたい場合はカフェイン量が明記された製品を活用するとよいでしょう。
Q. 5.5mg/kgという量は摂りすぎではないですか?
A. 国際スポーツ栄養学会(ISSN)が推奨するカフェインの一般的な範囲は3~6mg/kgとされており、今回の5.5mg/kgはその上限に近い量です。初めて試す場合は少ない量から始め、動悸や不安感などの症状が出ないか確認しながら調整することをおすすめします。
Q. 副作用の心配はありますか?
A. 今回の研究では安全性に関する具体的な記述はありませんでしたが、心拍数の上昇など、カフェインに特有の刺激作用は確認されています。カフェインへの感受性には個人差が大きく、循環器系に持病がある方・妊娠中の方・普段カフェインをあまり摂らない方は、自己判断で高用量を試さず、医師や管理栄養士にご相談のうえ少量から始めてください。
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明日からできることとして、次の練習や試合の60分前に、いつもより少し量を意識してコーヒーを1杯飲むことから試してみましょう。
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
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