カフェインの効果は時間帯や摂取量によって異なる?
論文情報
タイトル
著者名
ニザール・スイシ氏、他
所属
マヌーバ大学クサール・サイード高等スポーツ体育研究所
内容要約
目的
カフェイン摂取の量と時間帯によってパフォーマンスに与える影響に違いがあるかを調べた研究。
方法
対象
年齢:18.3±0.5歳
性別:女性
人数:15名
BMI22.2±2.1
二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験
・時間帯
①朝(8~9時)に摂取チーム、②夕方(18~19時)に摂取チームに分かれ、それぞれ摂取1時間後にパフォーマンステストを実施。
・摂取量
①プラセボチーム、②低用量カフェイン(3mg/kg)チーム、③高用量カフェイン(6mg/kg)チームに分ける。
軽食(500kcal)摂取1時間後、サプリメント(カフェイン入りorプラセボ)を摂取し、さらに1時間後にパフォーマンステストを実施。
評価項目
・下肢瞬発的筋力の評価:カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)
・敏捷性の評価:修正アジリティTテスト(MATT)
・反復スプリントテスト(RSA)
・自覚的運動強度(RPE)
・質問票による有害事象の把握
結果・考察
下肢瞬発的筋力の評価:カウンタームーブメントジャンプ
・プラセボチームでは、朝摂取チームと比べて夕方摂取チームの方が有意に高値。
筋力は夕方の方が発揮できるという先行研究と同様の結果ですね。
・朝摂取では、プラセボチームと比べてカフェイン摂取チームの方が有意に高値。(低用量・高用量ともに)
・夕方摂取では、プラセボチームとカフェイン摂取チームでは有意な差は見られなかった。(低用量・高用量ともに)
カフェイン摂取によるパフォーマンスアップは朝は期待できるが、夕方は期待できない?
敏捷性の評価:修正アジリティTテスト
・プラセボチームでは、朝摂取チームと比べて夕方摂取チームの方が有意に高値。
・朝摂取では、プラセボチームと比べて高用量カフェインチームの方が有意に高値。
・朝摂取では、プラセボチームと比べて低用量カフェインチームでは有意な差は見られなかった。
敏捷性向上を図るにはより多くのカフェイン摂取が必要?
・夕方摂取では、プラセボチームとカフェイン摂取チームでは有意な差見られなかった。(低用量・高用量ともに)
反復スプリントテスト
・プラセボチームでは、朝摂取チームと比べて夕方摂取チームの方が有意に高値。
・朝摂取では、プラセボチームと比べてカフェイン摂取チームの方が有意に高値。(低用量・高用量ともに)
・夕方摂取では、プラセボチームとカフェイン摂取チームでは有意な差は見られなかった。(低用量・高用量ともに)
自覚的運動強度
チーム間による有意な差は見られなかった。
有害事象
・朝摂取チームと比べて夕方摂取チームの方が多くの有害事象が報告された。
・朝摂取チームでは、頻脈、消化器症状、頭痛など。
・夕方摂取チームでは、不眠症、頭痛、消化器症状など。
パフォーマンスアップ的にも、有害事象抑制的にも、朝に運動を行う際にカフェイン摂取が期待できそう。夕方の摂取は有害事象が起こらないかの確認がより必要かも。
今回の研究では、3mg/kgと6mg/kgの条件でカフェインを摂取していました。
市販されているサプリメントであれば、「ALLMAX Essentials Caffeine」では1粒にカフェインが200mg含まれているようなので、50kgの女性選手であれば、少なくとも50kg × 3mg/kg ÷ 200mg/粒 = 0.75粒、6mg/kgで考えても1.5粒摂取すればよいことになります。
サプリメントではなく市販されているガムであれば、「クロレッツXP シャープミント」は1粒にカフェインが12mg含まれているようなので、50kgの女性選手であれば、少なくとも50kg × 3mg/kg ÷ 12mg/粒 = 12.5粒噛めばよいことになります。
なかなかの量ですね。
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