【老化が気になる方へ】フラボノイドを多くとる人は「細胞の老化」が進みにくい?スペインの1,665名を追跡してわかった果物とコーヒーの関係

【老化が気になる方へ】フラボノイドを多くとる人は「細胞の老化」が進みにくい?スペインの1,665名を追跡してわかった果物とコーヒーの関係

公開日:2026年10月30日

さくっと結論

スペインの55歳以上の1,665名を対象に、食事から摂るポリフェノールの量と、細胞の老化の目印「テロメア」の長さの関係を調べた研究です。
食事は最初に調査し、テロメアはその約8年後に測りました。
その結果、フラボノイドを最も多くとる人は、最も少ない人に比べて、テロメアが短い人の割合が約49%低いことがわかりました。
食品別にみると、果物を多く食べる人(約35%低い)と、コーヒーを1日1杯まで飲む人(約30%低い)でも同じ傾向がありました。
ただし観察研究のため、ポリフェノールが老化を防ぐとまではいえません。

論文情報

内容要約

目的

テロメアは、染色体の端にあるキャップのような構造です。
細胞が分裂するたびに短くなるため、体の老化の目印として使われています。
また、酸化ストレスや炎症があると、短くなるのが早まると考えられています。
この研究では、抗酸化作用や抗炎症作用が期待されるポリフェノールを食事から多くとる人ほど、テロメアが短くなりにくいのかを調べました。

方法

  • 研究デザイン: 前向きコホート研究(観察研究)です。
  • 対象者:
    • スペインの大学卒業生を中心としたSUNプロジェクトの参加者です。
    • 55歳以上で、平均年齢は65.3歳、64%が男性でした。
    • 海外の研究のため、日本人にそのまま当てはまるとは限りません。
  • サンプルサイズ: 1,665名です。
  • 食事の調べ方:
    • 最初に、136品目の食事アンケートで、ふだんの食事内容を調べました。
    • その内容から、ポリフェノールの総量と種類別(フラボノイドなど)の量を計算しました。
  • テロメアの測り方:
    • 食事調査から約8年後(中央値)に、唾液でテロメアの長さを1回測りました。
    • 下位20%をテロメアが短いと判定しました。

結果・考察

比較テロメアが短い人の割合判定
フラボノイド:最も多い群 vs 最も少ない群約49%低い(OR 0.51)有意
ポリフェノール全体:最も多い群 vs 最も少ない群約43%低い(OR 0.57)有意差なし(p=0.084)
果物:最も多い群 vs 最も少ない群約35%低い(OR 0.65)有意(量が多いほど低い傾向)
コーヒー:1日1杯まで vs 飲まない約30%低い(OR 0.70)有意
コーヒー:1日1杯より多い vs 飲まない―有意差なし

※性別・年齢・BMI・喫煙・総エネルギー摂取量・身体活動で調整した値です。

わかったことは、次のとおりです。

  • フラボノイドの摂取量: 考察によると、最も多い群(上位10%)は平均1,056mg/日、最も少ない群(下位10%)は平均145mg/日でした。参考までに、対象者全体の平均はフラボノイドが約481mg/日、ポリフェノール全体が約870mg/日でした。
  • 主な摂取源: この集団では、コーヒー・果物・野菜・オリーブオイル・赤ワイン・チョコレートでした。
  • 果物の影響: 果物の摂取量で調整すると、フラボノイドの関連は弱まりました(OR 0.66で有意ではなくなる)。著者らは、「果物が重要な役割を果たしている可能性がある」と述べています。
  • コーヒーの量: 関連がみられたのは1日1杯までだけで、それより多く飲んでも上乗せはみられませんでした。
  • 年齢による違い: 64歳未満の人では関連がみられましたが、64歳以上の人ではみられませんでした。ただし、年齢差を確かめる統計検定では、有意ではありませんでした。

結論

フラボノイドとポリフェノールを多くとる人は、テロメアが短い人の割合が低い傾向でした。
主な摂取源であるコーヒーや果物でも、同じ傾向がみられました。
著者らは、ポリフェノールが豊富な食事パターンが健康的な細胞の老化と関係している可能性を示しています。
ただし、確かめるにはテロメアをくり返し測る研究や介入研究が必要です。

ブログ執筆者まとめ

当ブログではこれまで、次のような研究を紹介してきました。

今回の研究の新しい点は、食事全体からとるポリフェノールの量と、細胞の老化の目印であるテロメアの関係を、何年もあとまで追いかけて調べたことです。

ただし、次の限界があります。

  • 観察研究なので、因果関係はわかりません。
  • 食事は最初の1回しか調べていません。
  • テロメアの測定も1回だけです。
  • 対象者は、学歴の高いスペイン人に偏っています。

また、テロメアの長さは健康診断で測るものではありません。
そして、持病がある方は食事の大きな変更について主治医に相談してください。

ポリフェノールを老化対策の食習慣にするには

  1. まずは、果物と色の濃い野菜を毎日の食事に入れる
    • 論文では、フラボノイドを1日約1,000mgとれる食事例として、次の組み合わせが紹介されています。
      • 紅茶1杯
      • 大きめのオレンジ1個
      • ブロッコリー150g
      • 青菜200g
      • ブルーベリー150g
      • ダークチョコレート20g
    • 日本の食卓なら、次のように置き換えると取り入れやすくなります。
      • 紅茶 → 緑茶
      • オレンジ → みかん
      • 青菜 → ほうれん草や小松菜のおひたし
    • 今回の研究では、果物の影響が特に大きい可能性が示されました。まずは、果物を1日1回、毎日食べることから始めましょう。
  2. コーヒーは1日1杯を目安に楽しむ
    • 関連がみられたのは1日1杯までで、それより多く飲んでも上乗せはありませんでした。
    • 砂糖やクリームを多く入れると、エネルギーの摂り過ぎにつながります。
  3. サプリメントより、まず食品から
    • 今回の研究は、すべて食事からとったポリフェノールの結果です。サプリメントで同じ効果があるかはわかりません。
    • 果物や野菜には、ポリフェノール以外にも、食物繊維やビタミンなどが含まれています。食品から摂ることを優先しましょう。
    • 赤ワインもポリフェノールの摂取源の一つでしたが、ポリフェノールのためにお酒を飲み始める必要はありません。

今回の研究結果を日々の食事に取り入れたい方は、明日から朝食か間食に果物を1品(みかん1個など)加え、コーヒーは1日1杯を楽しむところから始めてみてください。

30秒で解決!ポリフェノールとテロメアに関するQ&A

Q. ポリフェノールをとれば老化を止められますか?

A. 止められるとまではいえません。今回の研究は観察研究で、「フラボノイドを多くとる人に、テロメアが短い人が少なかった」という関連を示したものです。ただ、果物や野菜を多く食べる食習慣には、ほかにもさまざまな健康上の利点があります。まずは毎日の食事に取り入れてみましょう。

Q. コーヒーは多く飲むほど良いのですか?

A. いいえ。関連がみられたのは「1日1杯まで」で、それより多く飲んでも上乗せはありませんでした。カフェインのとりすぎは睡眠にも影響します。1日1杯を目安に楽しみましょう。

Q. ポリフェノールのサプリメントでも同じ効果がありますか?

A. わかっていません。今回の研究は、果物・野菜・コーヒーなど、食事からとったポリフェノールを調べたものです。まずは果物や色の濃い野菜を食べることを優先しましょう。それでも食事で足りない場合に、サプリメントを補助的に考えるくらいがよいでしょう。

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まとめ

スペインの55歳以上1,665名を対象にした研究では、フラボノイドを多くとる人は、テロメアが短い人の割合が約49%低い結果でした。
果物を多く食べる人や、コーヒーを1日1杯まで飲む人でも、同じ傾向がみられました。
観察研究のため、老化を防ぐとまではいえません。
それでも、果物や色の濃い野菜を毎日の食事に取り入れることは、細胞の健康を保つための身近な一歩といえそうです。

 
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
じっくり論文の内容を確認したい方は各論文のタイトルからチェックしてみてください。

  

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