【冬の気分の落ち込みが気になる方へ】みかんを1日2個食べると気分が前向きに?長崎の大学生26名・8週間の試験でわかったこと

【冬の気分の落ち込みが気になる方へ】みかんを1日2個食べると気分が前向きに?長崎の大学生26名・8週間の試験でわかったこと

公開日:2026年11月1日

さくっと結論

長崎県の大学生26名を対象に、温州みかんを毎日2個、8週間食べてもらう試験が行われました。
期間は11月から1月です。
研究の主な目的は、脳の働きに関わる血液中のBDNFが増えるかを調べることでしたが、食べないグループとの差は認められませんでした。
一方で、気分の検査では、みかんを食べたグループで「落ち込み」が減り、「活気」が高まりました。
ただし、26名の小さな予備試験で偽薬も使っていないため、みかんで気分が良くなると言い切れる段階ではありません。

論文情報

内容要約

目的

BDNF(脳由来神経栄養因子)は、脳の神経の成長や働きを支えるたんぱく質です。
うつ病の人やストレスが強い人では、血液中の量が少ないことが報告されています。
研究チームは以前、細胞の実験で、温州みかんの果肉がBDNFを増やすことを確かめていました。
そこで今回は、人がみかんを毎日食べると、血液中のBDNFが増えて気分が良くなるかを調べました。

方法

  • 研究デザイン: ランダム化比較試験(予備試験)です。食べないグループには偽薬(プラセボ)を出しておらず、参加者も自分のグループを知っている形式でした。
  • 対象者:
    • 長崎国際大学の健康な学生で、22〜31歳(男性11名、女性15名)です。
    • ふだんから柑橘類を食べている人や、病気の治療中の人は除いています。
    • 日本の研究ですが、対象は若い健康な人に限られています。
  • サンプルサイズ: 26名です(食べるグループ13名、食べないグループ13名)。
  • 摂取量・期間:
    • 温州みかん(長崎県西海市産「西海1号」、1個平均約107g)を1日2個、8週間食べました。
    • 期間は2024年11月〜2025年1月です。ほかの柑橘類は食べないよう指示されていました。
  • 測定項目:
    • 0・4・8週目に、血液中のBDNFを測りました。
    • あわせて、気分を測る質問票(POMS2)に答えてもらいました。

結果・考察

血液中のBDNF(研究の主な目的)

グループ0週4週8週
みかんを食べる15.612.313.8
みかんを食べない17.414.712.4

※単位はng/mLです。2つのグループの間に有意な差はありませんでした。

気分の検査(探索的な分析)

気分の項目みかんを食べる(0→8週)食べない(0→8週)グループ間の差
落ち込み(抑うつ・落ち込み)48.3 → 44.144.0 → 43.9有意(p=0.0499)
活気(活気・活力)55.5 → 58.755.6 → 54.8有意(p=0.020)
気分の乱れ全体46.2 → 41.543.5 → 42.5有意差なし

※得点は、平均が50になるように換算した値です。「落ち込み」「気分の乱れ」は低いほど、「活気」は高いほど良い状態です。

主たる目的ではないところに発見があったという点が面白いですね!

主な結果は次のとおりです。

  • BDNFの推移: 食べないグループでは、秋から冬にかけてBDNFが下がり続けました。みかんを食べたグループでは、4週目から8週目にかけて上向きました(グループ内の分析で有意)。
  • 著者らの解釈: BDNFは冬に下がりやすいことが知られています。著者らは、「みかんが冬のBDNFの低下をやわらげた可能性がある」と考察しています。
  • 含まれる成分: 柑橘類に含まれるフラボノイド(ノビレチンなど)が関わっている可能性も挙げられています。ただし、この研究では成分を測っていません。

結論

温州みかんを1日2個、8週間食べても、血液中のBDNFに食べないグループとの有意な差はありませんでした。
一方で、気分の検査では落ち込みの減少と活気の上昇がみられました。
そのため、みかんが気分を保つのに役立つ可能性があります。
より大規模で長期間の試験が必要です。

ブログ執筆者まとめ

当ブログではこれまで、ストレスや気分のケアについて次のような記事を紹介してきました。

今回の研究の新しい点は、冬に旬を迎える身近な果物「みかん」そのものを、日本人が食べて調べたところです。

ただし、次の限界があります。

  • 26名の小さな予備試験です。
  • 偽薬を使っていないため、「みかんを食べている」という期待が気分の回答に影響した可能性があります。
  • 主な目的だったBDNFでは、グループ間の差がありませんでした。
  • 対象は、若い健康な学生に限られています。

気分の落ち込みが2週間以上続く、眠れない、食欲がないといった場合は、食事で何とかしようとせず、医療機関に相談してください。

みかんを冬の気分ケアの習慣にするには

  1. まずは1日2個を、食後のデザートや間食に
    • 研究と同じ量は、1日2個(1個100g前後)です。冬のあいだ、こたつのみかんを毎日の習慣にしてみましょう。
    • ジュースより、果物そのものを食べるほうが、食物繊維もとれます。
  2. 食べすぎには注意する
    • 1日に何個も食べると、エネルギーや糖分のとりすぎにつながります。
    • ヘスペリジンやノビレチンなどのサプリメントもあります。ただ、今回の研究は「みかんを丸ごと食べた」結果です。まずは食品からとりましょう。
  3. 気分のケアは、食事だけに頼らない
    • 冬は日照時間が短く、気分が落ち込みやすい季節です。みかんを食べることに加えて、日中に外を歩いて日光を浴びる、睡眠のリズムを整えるといった生活習慣も大切です。

明日からは、夕食後のデザートや午後の間食に、みかんを1日2個、薄皮ごと食べてみてください。冬のあいだ続けて、自分の気分の変化を記録してみましょう。

30秒で解決!みかんと気分に関するQ&A

Q. みかんを食べれば、冬の気分の落ち込みは防げますか?

A. 防げるとまではいえません。今回の研究では、気分の検査で「落ち込み」の減少と「活気」の上昇がみられました。ただ、26名の小さな予備試験で偽薬を使っておらず、研究の主な目的だったBDNFでも差はありませんでした。日光を浴びる、睡眠を整えるなど、ほかの生活習慣とあわせて取り入れましょう。

Q. 1日に何個食べればよいですか?

A. 研究では、1日2個(1個100g前後)を8週間食べていました。多く食べるほど良いわけではなく、食べすぎると糖分のとりすぎになります。まずは1日2個を目安に、薄皮ごと食べてください。サプリメントは、食品で楽しんだうえでの補助的な選択肢と考えましょう。

Q. うつ病の治療の代わりになりますか?

A. なりません。今回の研究は、健康な大学生を対象にしたものです。気分の落ち込みが続く場合や、日常生活に支障がある場合は、自己判断せずに医療機関に相談してください。治療中の方は、主治医の指示を優先してください。

関連記事

まとめ

長崎の大学生26名が温州みかんを1日2個、8週間食べた試験では、気分の検査で落ち込みが減り、活気が高まりました。
研究の主な目的だったBDNFに差はなく、小さな予備試験のため確実な結論ではありません。
それでも、冬に手軽に食べられるみかんは、気分のケアに取り入れやすい果物です。
日光や睡眠などの生活習慣と組み合わせて、冬を前向きに過ごしましょう。

 
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
じっくり論文の内容を確認したい方は各論文のタイトルからチェックしてみてください。

  

OFUSEで応援を送る

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。