ランナーにとって糖質摂取はタイムが良くなる?体重が増える?
論文情報
タイトル
著者名
シギタス・カマンドゥリス氏、他
所属
リトアニアスポーツ大学スポーツ科学イノベーション研究所
内容要約
目的
グリコーゲン枯渇後の炭水化物摂取量によって影響があるかを調べた研究。
方法
対象
年齢:21±4歳
トレーニング歴:8年
人数:中距離ランナー11名
クロスオーバー法
グリコーゲン枯渇後の2日間に①高炭水化物食チーム、②低炭水化物食チームに分けて比較。
①高炭水化物食チーム
炭水化物10g/kg/日を目指す
②低炭水化物食チーム
炭水化物1g/kg/日を目指す
摂取エネルギーを揃えるために脂質量を調整、たんぱく質量はほぼ一緒。
1500mタイムトライアルを実施し、前後に心拍数、乳酸値、血糖値、酸化ストレスマーカー(マロンジアルデヒド)を測定。
結果・考察
体重
・高炭水化物食チームでは、低炭水化物食チームと比べてタイムトライアル前の体重が有意に重い。
「体重が重くなる」と聞かされると選手は嫌がりそうですが、体重差は1kg未満のようです。
摂取エネルギー
・高炭水化物食チームでは、低炭水化物食チームと比べて摂取エネルギー量が有意に高い。
摂取エネルギー量の差は20kcal/kg/日、体重が両チームとも70kg弱なので1400kcal弱差がある計算になります。
思っていたよりも摂取エネルギーに差がある印象です。
・高炭水化物食チームでは、低炭水化物食チームと比べて炭水化物・水分摂取量が有意に多く、脂質・たんぱく質摂取量が有意に少ない。
炭水化物摂取量に差があるのは当然で、両チームとも目標どおり炭水化物を摂取できたようです。
炭水化物と比べると脂質摂取量に大きな差が見られず、結果として摂取エネルギー量に開きが出た様子。
タイムトライアル
・高炭水化物食チームでは、低炭水化物食チームと比べて有意に記録が上昇。
後半になるほどタイム差が拡大。
特にタイムトライアルの後半で影響が出たのは、体内の炭水化物貯金の差が出たのでしょうか。あるいは単に摂取エネルギー量の差が影響として大きいのか。
自覚的運動強度(RPE)
・高炭水化物食チームでは、低炭水化物食チームと比べて有意に低値。
体感として炭水化物をしっかりと摂取しておくと、強度が軽く感じたようです。
その他
・高炭水化物食チームと低炭水化物食チームでは、歩幅や歩数などに違いはなし。ただし、歩幅は低炭水化物食チームでは短い傾向。
エネルギー不足もあり疲労を感じた結果、歩幅が短くなったのでしょうか。
まとめ
中距離ランナーでは、高炭水化物食をすると体重は増加するけどパフォーマンス上がるようですね。
ランナーの「体重増える=タイム延びちゃう」の恐怖心打破に繋がればいいですね。
体重を減らすのはあくまでも手段の1つで、体重減少が目的でなくタイムを良くすることが目的だよね、とランナーの方々が考えれるとよいですね。
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
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