運動前のアイススラリーの摂取はパフォーマンスアップに繋がる?

論文情報
タイトル
著者名
片桐晶氏、他
所属
筑波大学体育系
内容要約
目的
アイススラリーを運動前に摂取することで深部体温や呼吸、脳血流に与える影響を調べた研究
アイススラリーとはシャーベット状のドリンクのことで、大塚製薬や大正製薬が商品が販売されています。

大塚製薬 ポカリスエットアイススラリー
100g ×6袋

リポビタンアイススラリー forSports ハニーレモン風味
120g×6個 大正製薬
方法
対象
性別:男性
人数:12名
①7.5g/kg体重のアイススラリー、②37℃に温めた同飲料を30分かけて摂取。
一気に飲むのではなく、時間をかけてゆっくりと摂取していくようです。
気温35℃、湿度50%の暑熱下において、中強度の自転車運動を実施。
10名は高強度の自転車運動を疲労困憊まで行う運動も併せて実施。
飲料摂取前後の安静時および運動時に、食道温・直腸温・胃腸温・換気量・脳血流量・胃腸障害の有無などを測定。
結果・考察
食道温、直腸温
・アイススラリー摂取の方が、37℃飲料摂取と比較して有意に低値。
運動前のアイススラリーの摂取で深部体温を下げれるということですね。
換気量、脳血流量
・換気量はアイススラリー摂取の方が、37℃飲料摂取と比較して有意に低値。
・脳血流量はアイススラリー摂取の方が、37℃飲料摂取と比較して有意に高値。
換気量(いわゆる呼吸量)が多すぎると、脳の温度が上昇すると言われています。
アイススラリーの摂取で換気量を抑制でき、脳の血流量を確保できたということですね。
胃腸障害
・主観的な腹痛や下痢感はアイススラリー摂取の方が、37℃飲料摂取と比較して有意に高値。
冷たい飲み物を飲んでお腹が痛くなるのはイメージしやすいですね。
高強度運動
・高強度運動ではアイススラリー摂取の方が、37℃飲料摂取と比較して有意に運動時間が延長。
ただし、換気量や胃腸障害が増加した人を除いた場合。
呼吸量が増えたり、お腹が痛くならなければ、アイススラリーを摂取することで負荷が高い運動を長く実施できそうです。
ブログ執筆者まとめ
運動する前にアイススラリーを摂取しておくことで、深部体温を下げ、パフォーマンスアップも期待できることがわかりました。
アイススラリーは運動中に摂取するイメージでしたが、この研究で運動中の摂取が難しい場合でも事前摂取することで、パフォーマンスアップや熱中症予防ができそうです。
また、アイススラリーの摂取によって腹痛や下痢が生じる場合もあるので、本番のレースでいきなり実施するのではなく、練習で腹痛や下痢が生じないかチェックするとよいですね。
今回の研究ではアイススラリーと常温の比較だったので、10℃などの冷たい飲料と比較した場合はどうなるかも気になります。
常温に比べて深部体温が下がりパフォーマンスアップできて胃腸障害が出なければ、アイススラリーより冷たいドリンクの方が合う人もいるかもですね。
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
じっくり論文の内容を確認したい方は各論文のタイトルからチェックしてみてください。
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
-
前の記事
筋トレ男子がたんぱく質の摂取を増やすと筋力やパフォーマンスは上がる?肝臓や腎臓の負担も上がる? 2025.02.28
-
次の記事
記事がありません