睡眠に影響を及ぼさずにカフェインを摂取するにはどのぐらい前に摂取すればいい?
論文情報
タイトル
Dose and timing effects of caffeine on subsequent sleep: A randomised clinical crossover trial
著者名
カリッサ・L・ガーディナー氏、他
所属
オーストラリアカトリック大学健康科学部
内容要約
目的
睡眠に影響を及ぼさないカフェインの摂り方について調べた研究。
方法
対象
年齢:25.3±5.0歳
性別:男性
人数:30名
プラセボ対照二重盲検クロスオーバー法
カフェイン摂取量
①低用量(100mg:一般的なコーヒー1杯分に相当)と②高用量(400mg)、③プラセボに分類。
摂取タイミング
①就寝の12時間前、②8時間前、③4時間前、④プラセボに分類。
評価項目
・カフェインレベル
カフェイン摂取1時間後の唾液サンプルを利用
・睡眠の質
睡眠ポリグラフ検査による結果
・主観的な睡眠の質と昼間の眠気
起床後30分以内に記載された睡眠日誌の記録に基づく
結果・考察
睡眠の質
・就寝4時間前に400mgを摂取した場合、プラセボ摂取と比較して総睡眠時間が50.6分有意に減少。
・就寝8時間前に400mgを摂取した場合、プラセボ摂取と比較して総睡眠時間が28.7分減少(有意差なし)。
・就寝12時間前に400mgを摂取した場合、プラセボ摂取と比較して総睡眠時間が30.0分減少(有意差なし)。
・就寝4時間前に400mgを摂取した場合、100mg摂取と比較して総睡眠時間が46.2分有意に減少。
就寝12時間前というと、午前0時に就寝すると仮定した場合、ランチタイム(正午)に該当しますね。
睡眠効率(就床時間に占める睡眠時間の割合)
・就寝4時間前に400mg摂取した場合、プラセボ摂取と比較して9.5%有意に低下。
・就寝8時間前に400mg摂取した場合、プラセボ摂取と比較して6.9%有意に低下。
・就寝4時間前に400mg摂取した場合、100mg摂取と比較して7.1%有意に低下。
・就寝8時間前に400mg摂取した場合、100mg摂取と比較して4.7%有意に低下。
・就寝4時間前に400mg摂取した場合、12時間前摂取と比較して5.6%有意に低下。
中途覚醒
・400mgを就寝8時間前に摂取した場合、12時間前摂取と比較して20.8分有意に増加。
カフェイン400mgの摂取は、睡眠の時間・効率・質のすべてに悪影響を及ぼすといえそうですね。
一気にコーヒー4杯(400mgのカフェイン)を摂取することは現実ではなさそうですが、コーヒーを飲んだ後にエナジードリンクを飲んだり、サプリメントで多量摂取は可能なので注意が必要ですね。
100mg摂取した場合、プラセボ摂取と比較して有意な影響はなし。
また、摂取タイミングによる影響もなし。
コーヒー1杯程度であれば睡眠の時間・効率・質に影響はなさそうです。
ランチ後やおやつタイムのコーヒーは1杯であれば問題なさそう。
主観的な評価
・就寝4時間前に400mg摂取した場合、総睡眠時間がプラセボ摂取と比較して有意に1.3時間短縮。
・就寝8時間前に400mg摂取した場合、総睡眠時間がプラセボ摂取と比較して有意に0.7時間短縮。
・就寝12時間前に400mg摂取した場合、総睡眠時間はプラセボ摂取と比較して有意差なし。
カフェイン400mgの摂取は、体感的にも睡眠に悪影響を与えているようです。
・400mg摂取した場合、入眠潜時、中途覚醒、昼間の眠気に対しても有意な影響を認めた。
・100mg摂取した場合、有意な影響は認めなかった。
カフェイン400mgの摂取は、客観的にも体感的にも睡眠の時間・効率・質に影響を与えそうですね。
普段のドリンクやサプリメントにどのぐらいカフェインが含まれているのか知ることが大切ですね。
ドリンクに含まれるカフェイン量は下記の記事にまとめてみましたのでご興味ある方はご覧ください。
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