昆布だしのうがいが唾液分泌や味覚の改善に繋がる?

論文情報
タイトル
著者名
佐藤しづ子氏、他
所属
東北大学病院総合歯科
内容要約
目的
昆布だしが高齢者の唾液分泌や味覚機能の改善に寄与するかを調べた研究。
方法
対象
72.31±10.61歳
35名
①通常の水で30秒間のうがいを1日10回する。
これを2週間実施する。
②500mLのペットボトルの水に昆布10gを刻んで入れ一晩おいた昆布だし液で30秒間のうがいを1日10回する。
これを2週間実施する。
③500mLのペットボトルの水に昆布40gを刻んで入れ一晩おいた昆布だし液で30秒間のうがいを1日10回する。
これを2週間実施する。
NWS-LMS(総唾液分泌量は基準値内ながら小唾液腺の分泌が低下)とLWS-LMS(総唾液分泌量が少なく、小唾液腺の分泌も低下)に分けて分析。
※小唾液腺:唾液量はわずかながら、嚥下や免疫など口腔の健康に関係する分泌腺。
結果・考察
小唾液腺の分泌量
①水うがい
・NWS-LMS、LWS-LMSともに介入前後を比較しても小唾液腺の分泌量に有意な差はなし。
30秒のうがいを1日10回と大変な割には、水うがいでは小唾液腺の分泌量が改善しなかったようです。
②昆布10gだし液うがい、③昆布40gだし液うがい
・NWS-LMS、LWS-LMSともに、小唾液腺の分泌量が有意に増加。
昆布から溶け出したなんらかの成分が小唾液腺の分泌量に影響を与えたようです。
10gで十分に改善がみられるなら40gも使わずにケチっていきましょう!笑
・NWS-LMS、LWS-LMSともに、昆布40gの方が昆布10gよりも小唾液腺の分泌量がより増加。
小唾液腺の分泌量をしっかりと増やすにはケチらず使いましょう!笑
研究が進めば、分泌量をどのぐらい増やしたいかによって昆布の量を調整できるのかもですね。
総唾液分泌量
①水うがい
・NWS-LMS、LWS-LMSともに介入前後を比較しても総唾液腺の分泌量に有意な差はなし。
→小唾液腺と同じ結果となりました。
②昆布10gだし液うがい、③昆布40gだし液うがい
・NWS-LMSでは、介入前後を比較しても総唾液腺の分泌量に有意な差はなし。
総唾液分泌量が低下していないので、昆布だしを用いてうがいをしても総唾液分泌量が変わらないとのこと。
当然と言えば当然ですね。
・LWS-LMSでは、総唾液腺の分泌量が有意に増加。
・昆布40gの方が昆布10gよりも総唾液腺の分泌量がより増加。
総唾液腺の分泌量も低下していれば、小唾液腺の分泌量同様に昆布だしのうがいによって増やすことができるようです。
味覚感度への影響
①水うがい
・NWS-LMS、LWS-LMSともに介入前後を比較しても味覚感度に有意な差はなし。
水でうがいをたくさんしても味覚感度は上がらないということですね。
②昆布10gだし液うがい、③昆布40gだし液うがい
・NWS-LMS、LWS-LMSともに、うま味の感度が有意に改善。
美味しく食べたいなら昆布だしでうがいをしましょう!ってことですね!
昆布だしでうがいすること自体が美味しそうですね!笑
ブログ執筆者まとめ
火を使ってだしを用意するわけではないので、そこまで手間ではないかもしれませんね。
昆布だしを使ったうがい習慣を身に付けることで、高齢者の味覚が改善して食事量低下からのフレイルを防止できるのであれば嬉しいですね!
昆布だしに馴染みのない海外の方では同様の結果が得られないかもしれませんね。
毎回昆布を刻むのは大変なので、市販のきざみ昆布を活用すれば便利ですね。
こちらの商品であれば1,339円(2025年6月14日時点)なので、10g使う場合は67円/回、今回の研究では2日に1回昆布だしを作るので40日分ということになります。
40g使う場合は268円/回、今回の研究では2日に1回昆布だしを作るので5日分ということになります。
料理に使った昆布を取っておいて、うがい用に回せるのであればさらに実践してもらえるかもですね。
昆布の量を増やさないと、昆布由来の成分が不足しそうですが。
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
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