足裏を冷やせば暑さによる疲労を軽減できる?

論文情報
タイトル
著者名
河端隆志氏、他
所属
環太平洋大学
内容要約
目的
足底に対する短時間の冷却刺激が暑熱対策に効果的かを調べた研究。
方法
対象
年齢:24.89±3.10歳
人数:8名
クロスオーバー法
①足底冷却あり、②足底冷却なし、の2つに分けてパフォーマンスを評価。
3日以上空けて条件を入れ替え再度パフォーマンスを評価。
暑熱環境(35℃、相対湿度60%)にて、自転車運動を70%VO2maxで15分間実施。
その後、最大強度の負荷をに上げて疲労困憊まで実施。
疲労困憊から10分間の休憩中に①足底冷却ありでは、-50℃のアイスパックを厚さ2mmのタオルに包んで、足底に2分間冷却。
休憩後、再度暑熱環境にて、自転車運動を最大強度の負荷にて実施し、疲労困憊までの時間を計測。
2分間の冷却でどれだけ回復できたかを調べているんですね。

また、食道・皮膚・大腿筋の温度、前腕皮膚血流量、心拍数、心拍出量などをモニタリングし、2分ごとに自覚的運動強度と体感温度をレポート。
2分ごとにレポートはなかなか大変そう。
結果・考察
足底温
・足底温は足底冷却前の36.2±1.0℃から足底冷却後の19.2±2.7℃まで低下。
2分間の冷却で15℃以上も低下するんですね!
皮膚温
・足底冷却ありでは36.60±0.42℃であり、足底冷却なしでは37.25±0.36℃となり、足底冷却ありの方が有意に低値。
前腕皮膚血流量
・足底冷却ありでは10.89±2.25mL/分/100mLであり、足底冷却なしでは12.57±2.71mL/分/100mLとなり、足底冷却ありの方が有意に低値。
疲労困憊に至る時間
・足底冷却ありでは3.92±1.10分であり、足底冷却なしでは3.23±1.07分となり、足底冷却ありの方が有意に延長。
自覚的運動強度
・運動負荷開始2分経過後の自覚的運動強度は、足底冷却ありでは16.88±1.26点であり、足底冷却なしでは19.37±0.74点となり、足底冷却ありの方が有意に低値。
体感温度
・運動負荷直後から2回目の運動負荷が終了するまでの体感温度は、足底冷却ありでは2.75±0.46点であり、足底冷却なしでは3.75±0.46点となり、足底冷却ありの方が有意に低値。
ブログ執筆者まとめ
足底冷却をすることで、皮膚温や体感温度が低下し、パフォーマンスの維持も期待できそうですね。
-50℃のアイスパックの準備をどうするかですね。
一般的な冷蔵庫でどこまで冷やすことができるのでしょうか。
この商品であれば-20℃まで凍結はできるようです↓

-20℃前後なら、現場でも取り入れやすそうです。
また、深部体温は低下しなかったようなので、熱中症対策は別で必要。
あと、足底冷却あり/なしは明確に違うので心理的バイアスの除去は難しそう。
※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
じっくり論文の内容を確認したい方は各論文のタイトルからチェックしてみてください。
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