糖質の摂取量や種類はゴルファーパフォーマンスに影響を与える?

糖質の摂取量や種類はゴルファーパフォーマンスに影響を与える?

論文情報

タイトル

High-Carbohydrate Energy Intake During a Round of Golf-Maintained Blood Glucose Levels, Inhibited Energy Deficiencies, and Prevented Fatigue: A Randomized, Double-Blind, Parallel Group Comparison Study

著者名

永島洋介氏、他

所属

武蔵丘短期大学 健康科学科

内容要約

目的

ゴルフのラウンド中における糖質の摂取量や種類がパフォーマンスに与える影響について調べた研究。

方法

対象
年齢:平均20歳
性別:男性
人数:30名

①低スクロース(LSUC)、②高スクロース(HSUC)、③高イソマルツロース(HISC)に分類。

①~③はグミとして摂取し、1ホールごとに摂取する。

スクロースはいわゆるお砂糖のことです。イソマルツロースは砂糖の代替品として利用されており、砂糖よりも消化吸収がゆっくりのため、血糖値の急上昇を防ぐことが期待されています。*
*Digestion and absorption of sugars and sugar substitutes in rat small intestine.

イソマルツロースはパラチノースという名前で粉末が市販されていたり、運動中の補食として利用されるエネルギーゼリーなどに配合されています。

  


パラチノース(R)配合 持久系スポーツに最適なエネルギー源
ピュアパラ ノンフレーバー1kg袋/DM三井製糖

  


パラチノース(R)配合
オレは摂取す 4個セット

エネルギー不足の程度
尿中尿素窒素によって判断。

体内の糖質が少ない場合、我々はたんぱく質をエネルギーとして利用します。
このたんぱく質をエネルギーとして利用する際に尿素窒素が作られます。
つまり、尿中の尿素窒素が多い=多くのたんぱく質をエネルギーとして利用している=糖質の摂取が少なくエネルギー不足、という解釈となります。

結果・考察

平均ラウンド時間
・5時間2分

炭水化物摂取量
・低スクロースは154.7g(30.9g/h)、高スクロースは221.0g(44.2g/h)、高イソマルツロースは222.3g(44.5g/h)。

低スクロースと比べると、高スクロース・高イソマルツロースでは1.5倍の糖質を摂取することになります。

平均血糖値
・高スクロースは他と比較して、有意に高値。

血糖変動
・低スクロースは高イソマルツロースと比較して有意に高値。

エネルギー不足の程度
・尿中尿素窒素が低スクロースは他と比較して、有意に高値。

摂取した糖質量が少ないため、代わりにたんぱく質が利用されたようですね。
糖質量としては65gぐらいの差がありますので、MAX65gの体タンパク質が追加でエネルギーとして利用されたと推測されます。
ちなみに、この体タンパク質は主に筋肉を分解して供給されます。
(たんぱく質やアミノ酸を摂取していれば話は別)

ゴルフパフォーマンス
・糖質の摂取量や種類による有意な違いはなし。

パフォーマンスには影響が出なかった様子。
たんぱく質が糖不足を上手くカバーしてくれたとも考えることができます。
ただ、パフォーマンス低下が見られなかったので、「糖質をたくさん摂らなくてもいいや」と考える選手が出てくるかも。

疲労感
・ラウンド終了時の疲労感が低スクロースは他と比較して、有意に高値。

疲れが翌日以降のパフォーマンスに影響が出ては困るので、糖質をしっかり補給しながらラウンドを回りましょう!と繋げれるかも。

ゴルファーを対象にした研究は他にもあり、「ラウンド前・6番ホール・12番ホールの3回で合計カフェイン(1.6g/kg体重)と炭水化物(0.64g/kg体重)を投与したところ、運動能力と疲労スコアが向上した*」という報告もあります。
*The effect of a carbohydrate–caffeine sports drink on simulated golf performance.

※ブログ執筆者は研究者ではないので、細かい点で間違いがあるかもしれません。
ご了承いただけますと幸いです。
じっくり論文の内容を確認したい方は各論文のタイトルからチェックしてみてください。

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